秋の抜き型
秋のお料理はなんとはなしに華やかなイメージ。
山の錦秋の色合いが雰囲気にあるせいでしょうか。が、しかし、秋の食材って実はそれほど彩り豊かではありません。栗やさつま芋の黄色、菊の花の黄色とむらさきを除けば、新ぎんなんの緑色もそろそろ黄色くなり始めるし、鮮やかな赤を添えてくれる京にんじんはもう少し冬になってから…、と、夏の鮮やかなトマトやなす、パプリカにはかないません。
そんなときに大活躍してくれるのが秋の抜き型。いちょうともみじに抜いたさつま芋や栗、にんじんがあるだけで、どれほどにぎにぎしくなることか。しかも、同じ形でも大小あるとぜんぜん雰囲気が変わるのです。自然な感じになるというか、作り物めいた感じが取れるように思います。普段のおかずにはまったく必要のないものですが、料理もおしゃれをしたいときに、これほど役立つものはありません。おかげさまでどんどん増えて……うれしいような困るような。
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